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【銀行融資ブログNO.64】口座情報の開放一元化に同意したほうがいいか

2019/07/01

先日、クラウドファンディングを仲介しているエメラダが複数の銀行口座を一元管理できるシステムを開発したとリリースされました。
これまでは自身の銀行口座のみ履歴を見ることができませんでしたが、他行の口座履歴も全て把握できるようになります。
まずは、きらぼし銀行、朝日信金に対して融資審査の一助となるツールを提供するとのことです。
口座の一元管理には顧客企業の同意が前提となりますが、今後、企業側として「一元管理への同意」を銀行から求められた場合にどう対応したらよいでしょうか?
今回は、銀行側の視点と企業側からの視点にたってメリットデメリットをお話しさせて頂きます。

銀行側のメリット・デメリットとは

銀行としては、これまで自身の銀行口座だけしか履歴を見ることができませんでした。
他行の情報を得るには試算表や決算書で残高を見ることしかできなかったできませんでしたが、このシステム利用によりタイムリーに他行の口座情報を得ることができます。

口座情報の何を見たいのか? 例えば

  • 発生した売り上げがきちんと入金されているか?売上がどのように動いているのか?
  • 納税はきちんとされているか
  • 仕入原価の支払がきちんと行われているか?
  • 家賃や引き落としがきちんと行われているか?
  • 他行の返済はきちんと行われているか?

などの試算表では見えない情報がわかるようになり、これが銀行の最大のメリットです。

さらに言えば、試算表などで「粉飾」の疑いがあれば、口座履歴とリンクさせれば、粉飾を暴くことも可能になります。

デメリットは正直思い当たりません。銀行とすればメリットだけでしょう!

企業側のメリット・デメリットとは

企業側にとってメリットは

「銀行審査のスピードが上がる」
「赤字だとしても売り上げをきちんと見てもらえれば融資の可能性が広がる」

ことでしょう。

これまでの試算表や資金繰り表も、もちろん大切な資料ですが、「口座履歴」があると試算表以上の価値があり、会社の実態をより正確に把握することができます。
もっと言えば、試算表や資金繰り表がなくても「口座履歴情報」だけで審査をすることが可能になるでしょう。(今のAI融資はこの流れです)

一方でデメリットとしては

「会社の姿を丸裸にされる」
「帳簿との整合性を問われる」

ことでしょう。

きちんとした会計処理を行っている会社は何ら問題はありませんが、会社の情報を全てオープンにさせることに抵抗感のある方も多いと思われます。
また、さきほどお話ししたとおり「粉飾の疑念」がある先は、粉飾が暴かれることになります。(粉飾とは善意無過失の意味もあります)

現時点では、必ずしも「口座情報の開放」に同意しなくてもいいと思いますが、まだ起業間もない会社では積極的に情報開示に応じるのも「アリ」だと思います。

今後の、融資審査の動向を見ながらでもいいと思いますが、それぞれの会社の状況を踏まえてご判断されることをお勧めします。

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