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【銀行融資ブログNO.60】オンライン融資がいよいよ動き出した!(その2)

2019/04/15

前回からお話ししております「オンライン融資始動!」の2回目になります。今回は、メガバンクを中心に過去行ってきた「ビジネスローン」との違いについてお話をします。

オンライン融資は「決算書依存型」の融資ではない

過去、メガバンクを中心に決算書のみで48時間以内に融資の可否や条件を回答する「スコアリング・ビジネスローン」融資を推進していました。
当時としては、審査時間が短いことから利用件数も多かったのですが、結果として多くの不良債権を生んでしまうことになりました。
その当時は私も現役の銀行員だったのですが、決算の粉飾や税務署受領印の偽造など数多くの悪意の債務者がいました。(現在では電子申告が主流ですので受領印の偽造は不要になりましたが)

前回も触れましたが、決算書には「ヒトの恣意」が働きます。どうしても黒字にしたくて「在庫を増やしたり」「売上を増やしたり」などの感情が入ってしまうのです。
なぜなら、決算書は「決算日」時点での数字の表現しかできない弱点があるのです。

一方、「オンライン融資」では決算書のデータは参考までで、それよりも日々の「動き」を見ることになります。

たとえば

  • 本日売り上げが発生したものが、何日後に回収されているか?
  • 売上は「架空計上」ではなく「正しい売上なのか? そして「売掛金残高」はきちんと動いているか
  • 仕入を行った場合にA社への支払は〆後2か月後であれば、きちんと2か月後に支払いができているか
  • 家賃や税金は毎月決められた日に支払っているか?

など、これまで「ヒト」で判断していたことを「AI」が代用して審査することになります。

これまでの「スコアリング融資=決算書=静態的な数字で判断」していたものが「オンライン融資=数字のリアルな動き=動態的な数字」にて判断材料が変わったことになります。

決算書の粉飾は単なる自己満足どころか「マイナス評価」につながる

このような時代の流れになると、決算書の粉飾は意味をなさなくなってきます。
決算を粉飾したくなる経営者の気持ちは「赤字だと融資が受けられない」この1点にあるはずです。

しかし、今後、金融機関がオンライン融資のシステムと連携をすることになるはずですから、いくら赤字を隠したとしても、金融機関には意味をなさないどころか、「マイナス評価」になるのです。

逆に「赤字」だったとしても、きちんとキャッシュフローが回ることが立証されれば、融資の可能性が広がるかもしれません。

経営者や会計事務所もこれまでの決算書に対する考え方を変える大きな転機になると思います。

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