経営改善計画書作成において、一番大事な作業は企業のSWOT分析になりますが、その次に大事な作業は、今後3~5年間の利益計画になります。
利益計画を作る際に、大事になってくるのは「売上数値」をどのように立てるかになります。
今回は、経営改善計画書を銀行から求められた時に、どのような「売上計画」を立てれば、銀行から認めてもらえるかについてお話をさせて頂きます。
将来の売上計画を立てようと思っても
「1年先、3年先の将来の数字なんて分からない!」と文句を言いだす経営者が多いのも事実です。
いきなり、将来の計画を立てようと思ってもどうやって数字を立てたらいいのか分からないと思います。
そこで、まずは過去3年ほど前を振り返ってみて、過去の売上実績はどのようになっているのかを分析してみることをお勧めします。
過去の売上を分析するには、色んなポイントから売上を分解してみるといいでしょう。
例えば
など会社の営業内容によって様々なポイントがあると思います。
過去3年ほどの動きを数字で並べてみると、売上が下がっている商品、部門、事業所、取引先や上がっているところ、粗利益率が下がってきているものなどが見えてくるはずです。
売上数字の計算根拠は皆さんがご存知のとおり
「売上」=「客数」×「客単価」(さらにリピート率を入れる場合もあります)
の式で算出されます。
「客数」については、それぞれの会社の実態に応じて「商品数」「取引先数」などに置き換えてもいいでしょう。
「客単価」についても、商品ごとやサービスごとなどで区切ってみるとさらに精度が上がります。
単に、今月の売上は「10,000千円」の予定ですと1行で済ませてしまうのと、売上10,000千円はA社にいくら、B社にいくらや、C商品でいくら、D事業所でいくらと積算根拠を出すか出さないかで、大きく印象度が変わります。
さらに、過去の売上変遷のデータを提示することで、過去の流れを考えると、今後はこのような動きになることが予想されると説明すれば、誰も文句が言えなくなるはずです。
「将来の予測は過去の分析から始まる」
この言葉は計画書作成の際に、最も大切な考え方になります。
経営改善計画書を作成したものをチェックする機会が多いのですが、よく見受けられるのは、売上が年々○%上がっているものです。
「売上が○%上がっていく根拠はどこにあるのですか?」
と聞くと、根拠は何もなく、ただ「利益を黒字」にするために、売上を上げているケースがほとんどなのが実態です。(税理士がそのように誘導しているケースも多数見受けられます)
これでは、企業を改善するための「生きた数字の計画書」ではなく、ただ「言われたから作成した血の通っていない数字の計画書」と見られてしまいます。
誰のために、何のために改善計画書を作成するのか?
の原点に立ち返り、一番大切な「売上計画」の数字にはこだわりと説得力をもった数字の根拠をもたせるようにしましょう。