取引している銀行から「社債の提案が来ましたがどうしたらよいですか?」の質問がクライアントからよく来るようになりました。
銀行が「社債」を提案してくる理由は何か? そして、皆さんが社債を実施する意味はどこにあるのか?について2回に分けて、お話をさせて頂きます。
「社債」の名前が聞きなれない方もいると思いますが、皆さんにとってみると、資金繰りの効果としては「長期借入金」となんら差はありません。 長期3年、5年での借り入れをするのと同じなのです。
では、なぜ銀行は「普通の長期借入金」での提案をしてこないのでしょうか?
銀行が提案してくる社債の正式名称は「銀行保証付私募債」と言います。
なぜ、銀行は保証をするのか?
誰に対して保証をするのでしょうか?
中小企業が独自に私募債を発行しても、投資家は買ってくれないのは分かると思います。しかし、銀行が償還を保証した私募債であれば、投資家は目を向けてくれることになります。(投資家にとっては、発行企業のリスクではなく、保証する銀行のリスクになるため)
そこで、中小企業が発行する私募債には「銀行保証」がついているのが一般的です。
となると、社債を発行するには
この二つの手数料がかかります。 銀行の狙いは「このふたつの手数料収益」なのです。
さきほど、資金繰りの効果は「長期借入」と同じと言いましたが、わざわざ「手数料」を払ってまで社債をやる理由が私には分かりません・・・
マイナス金利時代が依然として続いていることから、貸出での収益が苦しい銀行としては「手数料収益」を狙わざるを得ないこともあり、より「社債」での提案が活発化していると言えます。
社債といっても、金利はかかります。 手数料を多くもらいたいがために、金利をかなり低めに設定して「見栄え」よく提案をしてくるケースも散見されます。
金利は、5年で「0.6%」でいいです! のように「金利」だけに踊らされることのないようにしてくださいね!
次回は、中小企業から見た「社債のデメリット」についてお話させて頂きます。