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【銀行融資ブログNO.31】いまだにこんな期末のお願い融資があるとは

2016/12/02

話は少し前のことになってしまいますが、私のクライアントの取引金融機関の某信金からの9月末の上半期の成績のために「時代遅れな融資形態」のお願いがあったケースのお話をさせて頂きます。

「時代遅れな融資形態」とは

今回のお願いの内容は、期末の9月30日~10月5日間だけ、20百万円の短期借入をして欲しいとの内容です。しかも、条件は「無担保」ではなく、その信金に税金の支払いのために預けてある「定期預金」を担保にして欲しいとのこと。極めて自分勝手なお願いだと思いませんか?
簡単に言いますと、金融機関にとってみれば、何のリスクもない貸出金を、全く資金繰りに困っていない取引先に、自己都合な条件で融資をするというものです。

私が、以前銀行員の時代には確かに、期末の貸出残高のノルマのために短期間の融資をお願いした経験があります。単なる9月末日一日のためにです。その時には、ノルマ達成のために止むを得ないと思っていた自分がいましたが、銀行を辞めて、振り返ってみると、「何のために誰のためにしたのか?」と虚しい思いしかありません。

今の金融機関には、金融庁からも新たな経営ベンチマークが提示されて、経営改善や、顧客の事業にもっと寄り添い、無担保無保証の融資を伸ばしていくような流れになってきているはずですが、当の現場では、このような「時代遅れ」の融資が実施されているのです。

金融機関はどこを見て仕事しているのか?

さきほどの「時代遅れ融資」が出てきている原因として、やはり目線が「組織しか向いていない、さらに言えば、顧客ではなく本部のノルマしか見ていない」ことが挙げられます。

この某信金のクライアントへの日々の訪問活動には「手形割引をください」「個人預金をください」などのお願いセールスしかありません。クライアントの本業の悩みや、改善に対するアドバイスなどは皆無です。本来の「金融機関の仕事」は何なのか?と考えさせられます。

顧客が金融機関を目利きし、選ぶ時代になっている

中小企業にとって金融機関の融資は必要不可欠なものです。ただし、「晴れた時にしか傘を差しだしてくれない」とよく言われるように、顧客にとって的確なサービスが提供できない金融機関は、顧客から見捨てられると思います。

経営者の皆様におかれましても、取引する金融機関は自分の目で見て感じて選ぶ時代になっているのです。商売に「お付き合い」はもちろん必要だとは思いますが、「必要以上のお付き合い」は不要です。

金融機関が皆さんの決算書を見て、色んな審査を受けていますが、経営者の皆さんも金融機関の普段の営業活動の動きを「審査」してみることを強くお勧めします。

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