ホーム > 銀行融資ブログ > 【銀行融資ブログNO.27】今の資金調達は全て固定金利がいいのか?

銀行融資ブログ
銀行融資ブログ

【銀行融資ブログNO.27】今の資金調達は全て固定金利がいいのか?

2016/08/01

2月に日銀のマイナス金利政策がスタートし、企業の資金調達のコスト(金利)も低下してきております。上場企業クラスでは20年債や40年債の超長期スパンで、今の金利メリットを享受する動きも多くみられますが、果たして全ての借入を「固定金利」にすることがいいのでしょうか?今回はクライアントからの相談をもとに、私見をお話させて頂きます。

固定金利が有利なのは事実

これだけの異次元のマイナス金利の環境ですから、「固定金利」で調達することに反対の意見はゼロといってもいいでしょう。ただし、固定金利には調達コストの固定化というメリットの裏にはデメリットも存在します。それは、中途返済時に「違約金」がかかることです。銀行取引の変更や、余剰資金があって繰り上げ返済をしたい時には、逆に「足かせ」になってしまうことにもなります。

全て借り入れは「固定金利」が良いのか

私のクライアントで、昨年(マイナス金利突入前)に、10億円規模の肩代わりを実行しました。
肩代わり後の返済期間は30年の長期になることから、当初10年間は「金利スワップ」での固定金利にて調達を行いました。もちろん、当時の経営判断としては間違っていない選択だと思います。
ただ、その後まもなくして、マイナス金利時代になり、今となっては昨年の固定金利をどうにか下げられないか?との相談を受けております。

金利スワップで金利を固定化した場合に、中途で解約をしてしまうと「違約金」を支払うことになります。この「違約金」がネックになり、借入全体の組み換えをやりたい時に、二の足を踏んでしまうのです。

「違約金」の金額は自らで試算することは不可能で、あくまで調達した銀行の仕入れ値とその時の時価との差額を銀行が算定するものであることから、その時の金利環境に大きく左右されます。

変動金利の機動性も忘れずに

逆に「変動金利」においては、金利上昇時には調達コストが上がるデメリットがある反面、中途返済をしても「違約金」がかからないメリットがあります。そうなると、全ての借入を「固定金利」にしてしまうのではなく、変動金利部分も借入のなかに組み込んでおくことも作戦のひとつだと思います。

金利環境や銀行取引の環境の変化に対応するためにも、「変動金利」の機動性は、持っておいたほうが何かと動きやすいとも言えます。

皆さんの借入金利の内容を改めて見返ししてみて、「固定金利」と「変動金利」の割合のバランスを検討してみてはいかがでしょうか?

ページTOPへ