相談を受ける経営者の方からの質問で圧倒的に多いのが「うちはいくらまで借りられますか?」です。その質問を受けて、私は必ず「では、この1年間でいくら必要でしょうか?」と逆に聞き返します。そう質問をしてすぐ答えられる経営者は、ほとんどいません。これはなぜでしょうか?
銀行融資において大切な考え方のひとつに「借入額の妥当性」がありますが、この考え方を理解できている経営者はほとんどいません。そして顧問の会計事務所でもこの考え方を理解している方は、ほとんどいないと言っていいでしょう。
今回は、経営者とのやり取りで一番多い「借入額」の考え方についてお話をさせて頂きます。
皆さんは、銀行に融資を相談する際に「借りられるだけ貸してもらえますか?」と言ったことがありますか?
私が銀行員の時に、そのように言われる経営者の方も多くいました。そして、そのような質問をされるほとんどが「数字に疎く、経営は赤字」の会社です。
つまり、目先の資金繰りだけに頭がいっぱいで、「なぜ資金繰りが回らなくなって、いくら足りないのか、当面1年間はどのくらい必要なのか?」の考え方ができていないのです。
銀行が融資額を検討する際の考え方は「いくら必要なのか」「借入全体の額は適正なのか?」「その融資のお金は何に使われるのか?」「返済はきちんとできるのか?」になります。
銀行融資用語でいえば
の4ポイントになるのです。
上記の融資用語の4ポイントの2「その会社に必要な運転資金の額はいくらか?」についてお話をします。
銀行融資審査での運転資金の算出式は
「売掛金+受取手形」+「在庫」-「買掛金+支払手形」
にて導かれるのが一般的です。例えば、運転資金が1、000万円の会社があったとします。その会社は、借入が全体で3、000万円ありました。運転資金は1、000万円ですが、それ以外の2,000万円の借入は何に使われているお金でしょうか?
考えられるものとして代表的なものを挙げてみると
まずは、この上記1~4が考えられます。
皆様の「運転資金」の金額を算出してみて、借入しているお金の「色」をつけてみてください。そうすると、銀行からの融資の可能性があるのかどうか、そしてどのような質問があるのかの想定ができてきます。(詳細はとてもこちらで書ききれないので割愛させて頂きます)
大事なのは、「いくら借りられるのか?」ではなく、「いくら必要なのか?」「今までの借入は何なのか?」「これからどのようにそのお金を活かしていくのか?」になります。
借入の分析をしてみたい方は、是非弊社までご連絡してください。