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【銀行融資ブログNO.23】銀行にとって4月は個社別の取引方針を決める月になります

2016/04/06

いよいよ新年度がスタートし、皆さんも気分一新の時期を迎えていることと思います。銀行にとっても4月は異動が多く、担当者も変わることが多い時期になります。
また、営業担当の行員は自分の担当先にどのような方針で取引を行っていくのかを決める時期でもあります。今回は「取引方針を決める」とは何かについてお話をさせて頂きます。

個社別の取引方針とは

銀行の営業担当者は上半期(4月~9月)の支店収益の目標に対して、自身の目標の割り当てが決められます。その目標に対して、担当取引先ごとに、どのような推進を行っていくのかの戦略を立てなければなりません。

具体的には下記のふたつが中心になります。

  1. 融資残高をどのくらいまで引き上げるか? 逆に引き下げるか
    銀行の融資を伸ばす理由はファンド収益(利息収入)を伸ばすためにあります。ファンド収益をあげるためには期の早い時期に融資を実行する必要があり、つまり平均残高(平残)を引き上げがベストです。
    融資には返済がついていることから、融資を実行しなければ、残高は順次減少していくことになります。つまり、期初の残高を半期で維持するためには、返済分の残高を実行することが最低条件になるのです。そうなると、ファンド収益を伸ばすためには、「返済分の融資+上積みの融資」の金額が必要になるのです。
    皆様の立場で考えるのであれば、この半期に担当者はどのくらいの融資金額を考えているかについて担当者と話を今のうちにしておくことも大切になります。
  2. フィー収益(手数料)をどのように稼ぐか?
    銀行がフィー収益(手数料)を稼ぐための手段は実に多様化してきております。投資商品(投信、保険、債券)、不動産、デリバティブ、事業承継、遺言相続、M&Aなどなど、様々な手法が今はあります。取引先の状況に応じて、提案する商品も違ってくると思いますが、近年では無理やりにこじつけてくるセールスも散見されます。

「今後の融資取引のためには、付き合ったほうがいいかな」などと考えて、無理にお付き合いをする必要はありません。きちんと自社のニーズにあったものがあればご活用頂ければと思います。

マイナス金利の状況をいかに味方につけるか

融資に関して、最近では日銀の「マイナス金利」政策のもとで、銀行の貸出金利の提示もさらに低くなってきております。企業にとっては調達コストの低下は大歓迎なものです。魅力的な金利の提案がさらに活発化されてくると思いますが、金利だけにとらわれることなく、その銀行とどういったお付き合いをしていきたいのかの展望のもとで融資取引を行っていただきたいと思います。

金利だけに魅力を感じさせる銀行とのお付き合いは決して長続きはしないはずです。

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