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【銀行融資ブログNO.19】保証協会の肩代わりに必要な承諾書の取得は簡単ではない

2015/12/04

保証協会の保証がついている借入を他の銀行に肩代わりしてもらう際には、肩代わりされる銀行の「承諾書」が必要になります。今回は肩代わりを実施する際の注意点や銀行員の心理のお話をさせて頂きます。

銀行にとって「肩代わりされる」意味とは

銀行員の営業にとって会心の一撃は「他行取引の肩代わり」です。ただ取引先の借入金を増やして自分の銀行の貸出残高をあげるよりも、肩代わりは取引先の借入金額も変化はありませんし、何よりも、担当者としての行動や銀行としての評価してもらったことが大きなポイントです。

反対に、「肩代わりされる」とは営業にとってみれば、一番の失態です。取引先の不満が最高点に達した結果が「肩代わりされる」ことになるので、担当者ならびに銀行のスタンスが取引から愛想を尽かされたことに繋がります。これは、肩代わり時の担当者だけの問題ではなく、過去の取引における担当者や上席の態度などの様々な要因が絡んで起こることです。

つまり、「肩代わりされる」とはこの上ない敗北感と屈辱感がその銀行にはあるのです。

「承諾書」がなければ前に進めない

いざ、肩代わりの意思を固めたとしても、保証協会保証付きの借入を肩代わりしてもらう為には、肩代わりされる銀行の「承諾書」たる書面が必要になります。要するに「肩代わりに同意する」旨の書面です。私のクライアントでは、最終的には「承諾書」に判を押すことになりましたが、それに至るまでは色んな嫌味節を聞かされまし、何度も思いとどまるように説得を受けておりました。

例を挙げてみますと

「そちらの会社規模では信金レベルなので信金の取引をなくすとは考えられない」
「そもそも、承諾書に判を押さないことも選択肢なのですよ」
「信金同士では肩代わりしないのが暗黙のルールなんですけどね」

こういった感じです。言葉としては失礼な言葉もかなりあったとは思いますし、会社は銀行のために存在はしておりません。こういった言葉を出す銀行だから肩代わりされたのだろうと思います。

とは、いうものの、肩代わりを実行するには「承諾書」が必須ですので、このような言葉を受けても聞き流せるだけの余裕をもつことが大切です。

肩代わりは銀行戦略を考えるうえでも慎重に

肩代わりを行うことは、会社にとってどの銀行と長く付き合っていくのか、どの銀行に重きをおいて付き合っていくのかなど、多面的に検討したうえで判断するものです。一時的な感情だけでは、決断するレベルの話ではありません。

私のクライアントでは、過去の長い取引関係や、これまでの対応、そして会社の収益力、資金繰力等をよくよく検討して下した決断でしたので、皆が納得する形で進められたのです。

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