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【銀行融資ブログNO.17】銀行の担当者が変わると融資に影響が出るのか

2015/10/07

銀行担当者が変わることは良くありますが、その際に「審査が厳しくなったとか」「また同じ説明をしないといけないのか?」「訪問してこなくなった」など、様々な変化が起きてくると思います。今回は、私のクライアントで、担当者が変わったことで融資実行が遅延したケースをご紹介させて頂き、担当者が変わった時の注意点をお話します。

担当者が変われば、その担当先への知識はゼロに等しいといっていいでしょう。もちろん稟議等の書類には目を通してくるはずですが、その会社の癖を全て前担当者から引き継いでいるとは限りません。

また、担当者のスキルも前任者と同じとは限りません(もちろん逆もあります)ので、双方の理解度がズレると、資金調達がうまくいかなくなるケースも多々あります。私のクライアントでは以下のような事象がありました。

その会社は、毎年9月に既存借入金の折り返し融資を取引行から受けるのが定例となっていて、取引銀行(6行)がそれぞれ過去1年間返済した額の融資を受けておりました。今回のケースは有残高が6行中5番目の銀行での話です。

新担当者と前任者との違い及び認識のズレは以下のとおりです。

  1. 前任者が常にお願いしていた資金繰り表を新担当者は要求していない
    前任者は融資の稟議作成の際に、半年ごとに資金繰り実績と予定表をお願いしていたことから、今回は作成依頼がないことから、稟議をあげているのかどうか不安であった。
    →前任者と稟議の書き方が変わっているところから、前任者との連続性が途切れていた
  2. 在庫が多い特性を理解していない
    このクライアントは、工場向けに材料支給をしている会社であり、かつこの半年ほどは前年比20%増の受注が来ていることから、材料仕入に伴う在庫負担が大きくなっておりましたが、その説明を前任者から引き継いでおらず、試算表を見て、ただ「在庫が多い」「上司に説明できない」との言葉をいうばかりで、直接会社に説明を聞きに来ていなかった。
    →会社の事業の特性や商流を理解せずに、財務資料オンリーで稟議を書いてしまっているケース。また、前年よりも受注量が増加している事実も把握していなかった

私も、銀行員時代に担当先が変わると、担当先の社長とのコミュニケーションとの取り方はどうしたら良いか?その会社の癖は何なのか?新担当先に慣れるまでには時間が必要でした。

このように、担当が変わった時には、前任者とのやり方がどのように変わるのか?そして、「前任者から会社の特性は引き継いでいるはず」と思い込みをすることなく、最初から会社の事業の内容を再度説明するぐらいのパワーをかけることが、大事だということを皆様にも理解してもらえればと思います。

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