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【銀行融資ブログNO.16】投資商品を保有すると銀行からはどう見られるか?

2015/09/04

昨今、株や為替の相場が投資意欲を駆り立てる状況になってきておりますが、余剰資金を投資に振り向ける方も多くなってきていると思います。今回は、法人名義で投資商品を保有することについて、取引銀行からどのように見られているのかについてお話しします。

投資商品とはどういったものか

投資商品といっても、種類はたくさんあります。株式、外貨預金、投資信託、国債、外国債券、保険などなど数多くの商品があります。商品によっては、リスクの度合いも様々であり、元本割れのリスクを抱えている商品が多いのは皆さんもご承知のとおりだと思います。

銀行でも今は自らが販売することが可能になった商品も多く、銀行からの提案も様々な形できていることでしょう。なかでも、「投資信託」や「生命保険」の提案は銀行から数多く受けている方も多いと思われます。

投資を行う目的や意味は何なのか

私が銀行員の時に、顧客に投資商品を提案する先をどのように選んでいたかといいますと、「法人であれば、手元資金が潤沢であること」「商品リスクの理解がきちんとできている方」「本業に必要なものある」ことです。
「銀行が販売する商品にはリスクはないはず」と考える方も、いまだにいらっしゃるのも事実ですので、あくまで、リスクがあること、そしてそのリスクは自己責任であることを、強く話していたものです。
また、投資の目的を明確にしておくことも大切です。将来の退職金として生命保険(役員保険)をかけたり、ドル資金の需要がある場合の為替予約については、きちんと目的があるのでいいと思いますが、単に、自己資金の運用では欲がでて損失を抱えることにも成りかねません。
私のクライアントで、取引先の持株会に加入し、毎月株式を積立形式で購入している法人がありますが、「いくらまで買うのか、株数または金額のめどをきちんと決めてください」とアドバイスしております。きちんとラインを決めておかないと、いつまでも買い続けることになりますので、意味と目的をきちんと最初から考えておいてください。

投資規模は自己資金の範囲内にすること

銀行融資を受けている法人名義で、投資商品を購入する際に、一番注意しなくてはいけないのが、「バランスシート上で、銀行借入と投資商品が見合ってはいけない」ことです。これはどういう意味かといいますと、本業での利益や自己資本がままならないままに、外部借入(銀行融資)にて、投資商品を購入したような財務内容になっていてはいけないということです。

本業の損益を歪めるリスクがあることを忘れずに

さきほどからお話しているとおり、あくまで投資ですので、一部商品を除くと、元本割れのリスクはあります。また、法人名義で購入しているのであれば、含み損を抱えたり、解約して損失が表面化することもあります。つまり、本業で稼いだ利益を投資によって失ってしまうこともあるのです。

こうなると銀行からは、「何をやっているのか?」と思われても当然です。法人名義での投資は、目的がきちんとしているもの以外は、やらないほうが賢明です。もしやられるなら、個人名義での投資をお勧めします。法人での手元資金向上はあくまで、本業の利益で増やしていくこと!が基本です。

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