ホーム > 銀行融資ブログ > 【銀行融資ブログNO.14】新銀行東京と東京TYグループとの経営統合の影響について

銀行融資ブログ
銀行融資ブログ

【銀行融資ブログNO.14】新銀行東京と東京TYグループとの経営統合の影響について

2015/06/19

新銀行東京と東京TYグループ(八千代銀行と東京都民銀行グループ)との経営統合の運びとなりました。新銀行東京は来年4月にTYグループの傘下に入ることになります。
今回は、銀行の経営統合の際に、両行に融資取引がある場合には、どのようなアクションが起こるのかについてお話しします。
私自身が、大和銀行に所属している時に、あさひ銀行と経営統合し、りそなになった経験があることからその実体験を踏まえてお話させて頂きます。

取引重複している場合には情報のすり合わせを行う

新銀行東京とTYグループの両行と取引がある場合には、融資取引の情報のすり合わせを行います。もちろん、すり合わせの前には、融資先に顧客情報の開示について同意をもらうことが前提になります。(同意書をもらうと思います)
融資条件の確認や、財務データの照合を行います。この財務データの照合で両行に対して違う決算書(粉飾)している事実が明るみになることがあります。私もそういう経験がありましたので、もし心当たりがある方がいましたら、早めに正直に事実を伝えることをお勧めします。

主管店、従管店の扱い

取引が重複している先については、主として融資の継続及び新規貸し出しを行っていく「主管店」と、新しい融資は行わずに返済により残高を自然減少させていく「従管店」に区分されます。主と従の区分けは基本的には融資残高の多いほうになります。ただし、顧客の都合(お店の立地が近いとか)の希望も多少は汲んでくれますので、希望がある場合には担当者にきちんと話をしたほうがいいでしょう。

時間が経過すれば取引はひとつの支店に一本化される

経営統合の真の目的は、両行のシナジーを発揮し、管理部門を一本化させることで効率化を図ることです。統合当初はHDの傘下にぶら下がる形態をとるはずですが、いずれ、傘下の銀行は一本化されて、真の経営統合を図るはずです。つまり、統合数年後には両行に取引のある先は主管店に一本化されることになるでしょう。

融資金額の合計額が今後も維持されるのか?

これまで、借入の窓口がふたつあったのが、ひとつになってしまうことで、今後の融資取引がどうなるのか懸念されている方も多いと思います。

例えば、新銀行で500万、TYグループで1,000万の借入があったとして、今後も両行足して1,500万の借入ができるのかどうかと問われると、それはあくまで借入先の財務内容によると答えるしかありません。銀行借入はカードローンの枠のような考え方ではありませんので、過去に1,500万円借入できたとしても、今も同じ金額を借り入れできる保証はないということです。
業績が堅調に推移していれば、借入増額も検討可能だと思いますが、財務内容が悪化傾向であれば、融資金額は縮小されるはずです。

また、金利条件や、担保条件についても、統合後、両行ですり合わせが行われるはずですので、統合の前後には担当者からよく今後の動き方について説明を聞いておくことをお勧めします。

ページTOPへ