3月決算の企業の皆さんは5月末に申告が終わり、いよいよ決算書を銀行に渡す時期を迎えます。これまで決算書を銀行に提出する際に、どのように渡しているでしょうか?
今回は決算説明の意味、そして銀行に対して効果的な説明方法についてお話しします。
決算書を渡すときに、みなさんはどのように渡していますか?ただ、銀行の担当者に手渡しするだけで終わっていませんか?銀行まで出向いていますか?
銀行員の時は、こっちから行かないと決算書をくれない会社や、きちんとご来店頂いて説明を頂く会社と色々ありました。当然、きちんと説明を頂くほうが好印象に決まっています。決算は年1回ですし、この機会に出向いてみるのもいいでしょう。
銀行では、貸出稟議を起こすタイミングで、決算を超えている時、「決算動向」と題する説明資料を必ず作成します。
そこでは、財務分析だけではなく、業績の動向や会社の業務の方向性を特に記載しておりました。財務分析については、「信用格付」にて細かく分析を行いますが、ここでは、数字に隠れている部分を説明します。
ただ、決算はどのように説明したらいいのか分からない方もいらっしゃると思いますが、以下のような説明を加えていくといいと思います。
決算書を渡す際に、「前期はきつかったなぁ」「苦しかったなぁ」の言葉だけで終わるのと、「当初計画よりも売上は20%減、要因はこの部門の売り上げで、この商品が低迷した」「利益も当初計画から10%少なかった。要因は原価高騰に伴う粗利益減少及び固定費の削減努力不足」と説明するのでは、受け止めるほうは印象が変わります。
また、前期の反省点等についてお話しすることで、自社の問題点を認識していることを伝える効果があります。良くないのは、外部環境のせいにすぐしてしまう会社です。景気がまだまだ上向きにならないなどと他人のせいにしてしまう会社がありますが、そう言った会社は自分の足もとが見えていないのです。
新聞等では、百貨店・コンビニの売上の速報で売上低迷の場合に、必ず「天候不順」の下りがあります。私はいつも、「本当にそれが主要な理由なの??」と突っ込みを入れたくなります。景気動向に左右されるのは、当たり前なのですが、きちんと自社の弱みをつかんだ上で、弱みにどう対処していくのかを説明できることも大切です。