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【銀行融資ブログNO.10】新規銀行のプロパー融資は何故短期なのか?(その1)

2015/04/21

まずは「名刺代わり」の様子見

  1. 短期はリスクが少ない
    一般的な理由として、まずはお互いの顔合わせの意味で「名刺代わり」の短期プロパーを出すという意味です。初めての融資取引で長期(3年~5年)の無担保プロパーはなかなか出しにくいことから、短期(6か月~1年)の返済で貸し出しをするケースがほとんどです。
    私が、銀行員の時代に融資先の新規開拓の仕事が長かったのですが、やはり短期プロパーの融資を最初にするケースが多く、担当者としては長期貸出をやりたくても、「まずは短期から」と上司から言われていたことを覚えています。
    融資を受ける企業側からすると、短期の融資だと返済のペースも早い事から、実際には資金繰りに充てにくいと思いますが、まずは「新しい銀行とお付き合いを始める」ことを優先して欲しいと思います。仮に長期融資となると、保証協会付か担保を取得した融資になるでしょう。
  2. 短期はリスクが少ない
    では、銀行から見る「様子見」の意味は何があるでしょうか?
    ひとつは、「会社の動き方の様子見」そして「経営者の様子見」になります。
    「会社の動き」とは、どんな仕事をしていて、どんな取引先が実際にいて、どんな商品を扱っているのかを時間をかけてみていく意味です。もちろん、新規融資をやる前に実際に現場を見学させてもらったり、取引先のことを調べたりしておりますが、取引を開始してから実際に「最初の見立て」が合っているのかどうかの確認をしていくことになります。また、季節的な動き=商売の季節性があるのかどうかも見ていきます。1年のなかで売上が上がる時期や下がる時期はいつなのか?お金の動きはどうなっているのかについても確認をしていくのです。
    次に、「経営者の様子見」です。経営者の様子見とは経営者の人間性を見るということです。

「中小企業への融資は経営者の個人融資である」と銀行員時代の支店長から教わった言葉があります。まさにその通りで、いかに会社の財務内容が良くても悪くても、最後は経営者の人格がポイントになります。とはいえ、人間性を理解するのは簡単ではありませんが、普段の雑談のなかでも、会社をどのように考えているのか?経営者の趣味趣向はどういったものがあるのか?を銀行員は探っているのです。

私も、社長の本棚や机の上がどうなっているのか?社員に対してどのような言葉遣いや接し方をしているのかも気にしてみておりました。
銀行担当者と話をする時に、構えすぎる必要は全くありませんが、そういった点も見られていることをよく経営者は認識しておくべきでしょう。

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