先日、企業経営者からこのような相談がありました。
「1月末に約束の返済ができていなかったのですが返済日の2営業日後にちょっと待って欲しい」と連絡をしました。この対応は良かったでしょうか?
今回は、返済ができなくなった場合の銀行への対応方法についてお話させて頂きます。
この対応には下記の3ポイントを考える必要があります。
今回のケースは「20日に入る工事代金が工事の進捗が遅れているとの理由で入金が遅れた」との理由でした。つまり、20日は月末の返済は間に合わないのが事前に分かっていたはずです。
そうであれば、まずは20日にその旨を口頭ででも銀行に伝えるのが正しい対応です。しかし、返済日の2営業日後に、しかも電話で済ましてしまっている点が問題です。このような対応した場合に銀行の担当者はどう感じるでしょうか?
といった印象を与えてしまいます。これは私が銀行員の時に感じていた印象ですが、おそらくみな同じだと思います。
今回のケースは「工事代金の入金が遅れたのはやむを得ないにしても、まだその入金がいつになるのかの答えが出ていない」とのことでした。そもそもその交渉が元請とも出来ていないのが、かなり問題だと思いますし、その旨を銀行に伝えても困るだけです。
銀行としても、リスケジュールをしないといけないのか? それとも、今回の延滞はあくまで一過性のものなのかを判断しなければなりませんが、さきほどの状況ではどちらとも判断ができない状況です。
銀行では延滞が翌月に超えたものには「延滞月報」たる書類に延滞の理由やいつ解消できるかのコメントを入れなければなりません。
つまり、銀行に説明するには「何が原因でいつ延滞が解消されるのか、それともリスケジュールをせざるを得ない状況なのか」を説明する必要があります。
では、銀行内での検討時間を踏まえると、リスケジュールを申し出するタイミングはどのくらい前にしたらよいのでしょうか?答えからしますと、返済日の1か月前に申し出するのが理想形です。しかも、説明時には資金繰り表等の資料を持参しているのがベターですので、資料の準備期間を踏まえると、リスケの決断は2か月前には考えておくことが必要になります。
つまり、資金繰りが底をつく前に、事前に察知しておくことが必要です。しかも、さきほどお話した通りに、説明は電話ではなく来店にて説明するのが筋です。
そのためには、常に自社の資金繰りと向き合っておくことが必要ですし、自社の財務内容で銀行借り入れができるのか、それとも出来ない内容なのかについても、客観的に自己分析できる体制にしておくことが必要なのです。