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【銀行融資ブログNO.3】銀行は融資先の業種を正確に理解しているか?

2014/07/25

クライアントからの相談で多いのですが、「銀行はうちの会社の仕事をわかっているのかな?」と良く聞かれます。その質問に対しては「かなりアバウトなイメージでわかっていますが、商品の特徴や主要な販売先の理解は乏しいでしょう」と答えております。
もちろん、貸出先のことをよく理解している担当者もいますが、割合としてはかなり少ないと思われます。

銀行員は「広く浅く」しか知らない

主要な担当先であれば、その限りではありませんが、それでも顧客との理解度のギャップはかなりあると思われます。私自身が銀行員時代を振り返ると、そう感じております。
銀行員は「いろんな業種の経営者に会える」と良く言われます。確かにそれは事実ですが、銀行員はプロではなくて、究極の「ゼネラリスト」つまり「広く浅い」なのです。

アバウトな業種で理解されていると何が問題になるのか

貸出先を登録する際には「業種コード」を必ず登録します。このコードは非常に細かく設定されていて、貸出先の財務データ(決算書の数値を入れたもの)で、業界平均値との比較が出てきます。コードには「大コード」「中コード」「小コード」と小になればなるほど細かい業種が設定されています。
例えば建設業といっても、建設業の中には土木工事もあれば、建築工事、左官工事もありますし、水道工事、内装工事などなど様々な業種があります。
ですので、融資取引を最初に行う際に、自社の事業と適合しているコードを入れておかないと、自社の事業とは違う業界平均値と比較されて、財務分析をされてしまうのです。業界平均より売掛金の回転機関が長いとか、棚卸資産が多すぎるとかの指摘が出てきます。これは、貸出先の与信判断を狂わせてしまうことにつながるのです。

また、一度登録したコードを変更するには、支店長への申請が必要になり、安易なコード変更ができないようなルールになっているので、最初に取引をする時に、自社の業種をいかに正しく伝えて登録してもらうかがポイントになります。

正しく業種を伝えるにはどうしたらよいのか?

  1. 申告書の業種を正しく記載する
    私が銀行員の時には税務申告書の1面上部に書かれている業種をそのまま鵜呑みにして登録していたことがありました。今思えば正確な登録ではなかったのかなとも思っております。ですので、顧問税理士に細かく業種を書いてもらうようにお願いしてください。
  2. 会社案内や商品パンフレットを渡して説明する
  3. 工場や倉庫があれば、積極的に見学させること
  4. HPは手を抜かないこと

2~4については、特に難しい話ではありませんが、言葉だけではなくて「目」で見させて「リアル」のイメージを銀行の担当者に植え付けてほしいということです。

このように、「業種」と一言で言っても融資審査のなかでは、重要な要素になりますので、自身の姿を正しく伝える第一歩として認識して頂ければと思います。

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