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【事業再生ブログNO.63】資金繰り表を作るためにはこれが必要!(その2)

2020/06/01

前回は資金繰り表の作成手順についてお話をさせて頂きました。あまりにも簡単な説明だったのでイメージだけでもわかってもらえれば幸いです。
今回は、完成した資金繰り表を見るときにどこが大事なポイントになるのか?そして銀行融資の審査において資金繰り表の有無が大きな分岐点になることをお話しします。

資金繰り表を見るポイントは「経常収支」がプラスかマイナスか

会社のお金の流れは「資金繰り表」と言いますが、いわば「家計簿」と理屈は同じです。

 +)売上の入金   お金がプラス
 ▲)仕入の支払   お金がマイナス
 ▲)固定費の支払  お金がマイナス
 ▲)借入利息の支払 お金がマイナス

 経常収支   「プラス」か「マイナス」か

損益計算書でいえば、「経常利益」の部分にあたるものを資金繰りでは「経常収支」と言います。つまり、銀行借り入れの「元金返済」の前のお金の出入りの合計に当たります。

会社の資金繰りをチェックする際には、この「経常収支」がプラスになっているのか、マイナスになっているのかが大きなポイントになります。

もちろん、月によって季節変動もありますので単月の経常収支が「プラス」の時もあれば「マイナス」の時もあるのは当然です。ただし、1年間を通して「マイナス」になっていると下記の点を疑ってみないといけません。

  • 仕入過多になって在庫・材料が多くなっているか
  • 売上は伸びているが回収サイトが長い会社が増えているか
  • 売上回収が遅延している先があるか
  • そもそも赤字が嵩んできているか

どれも会社経営にとっては見逃してはいけないポイントが上がってきます。これは試算表では気付きにくい部分もあります。(特に在庫は棚卸を年1回しかしていない会社が多いため)

経常収支の「マイナス」は企業経営のアラームだと覚えておいてください。

融資審査で資金繰り表の有無は大きな差が出る

資金繰り表を作成している中小企業は少ないと言いましたが、逆に作成している会社はいい意味で目立ちます。
これは銀行融資の審査の場面でも言えることです。

  • どうして融資が必要なのか、なぜその金額が必要なのか
  • 貸したお金の返済は大丈夫なのか

この疑問に答えられる資料は、「決算書」でも「試算表」でもなく「資金繰り表」になります。

融資が必要になるのは、「経常収支」のマイナスが原因にありますが、そのマイナスが一時的なものなのか?仮に慢性的なものであれば、それをどのように改善していくのかも「資金繰り表」で説明できるからです。

「資金繰り表」って面倒くさいしなぁと思う方も多いと思いますが、「資金繰り表」は経営者を守るるツールとなることを少しでも理解してもらえると幸いです。

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