リスケジュール(以下リスケ)を実施している企業は6か月または1年ごとに「返済額」の見直しを行っていきます。
その際、今度の返済額をいくらにするのか?が一番の交渉ポイントになります。
銀行が求める返済額に果たして根拠はあるのか?銀行に対してどのように交渉したらよいのか?について今回はお話しさせていただきます。
銀行は、直近の決算からの簡易キャッシュフロー(以下CF 税引き後利益+減価償却費)にて話をもってきます。銀行が使用している「経営改善計画書」の書式にも簡易CFの数字がよく登場します。
ただし、実際に「簡易CF」が企業の正確な姿を表現しているでしょうか?
たとえば
「簡易CFが10M計上」している企業の「現預金が前期比+10M」になっているとは限りません。
(元金返済がなかったと仮定します)
考えられるのは
などです。
つまり、帳簿上のCFと実際の手元預金の増減は一致しないのです。
なのに、銀行は簡易CFにてごり押ししてきます。
なぜでしょうか? 理由は簡単です。
「資金繰り表を起こす実力がない」そして「簡易CFにて交渉と教えられている」からです。
簡易CFと実際の現預金の動きが一致しない以上、正確な現預金の動きを表現するには「資金繰り表」を作成して、交渉するしかありません。
私は「資金繰り表1枚」にてクライアントの銀行交渉を行っております。資金繰り表といっても、発生ベースの「売上」や「原価」の情報も加味したうえで、資金繰りがどのように変化しているかを説明しております。
また、年間の「資金繰り表上の利益=資金繰り上の経常収支」の多くても「50%」を上限として返済に充てるようにします。
リスケ中の企業は、「新規の借り入れが難しい」ことから、いかに「手元預金を向上」させながら「継続的な元金返済」を行えるかが大きなポイントになります。
中小企業は「資金繰り表」を常備していないところがほとんどだと思います。
銀行の「表面的な言い分」に負けないためにも「資金繰り表が作れる」体制を構築することが、ご自身の会社を守ることになります!