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【事業再生ブログNO.25】銀行から「遅延損害金」を請求されるケースはどんな場合か

2016/08/18

銀行から融資を受けていて、当初決められた返済条件が履行されなかった時に、銀行から、遅れた日数分の「遅延損害金」の請求を受けます。簡単にいうと「延滞金」です。しかし、銀行が実際に「遅延損害金」を請求し、受領するケースは、限られております。
今回は、遅延損害金が発生し、銀行から請求された場合に、本当に支払わなければならないのか?についてお話をさせて頂きます。

「形式的な延滞」か「実質的な延滞」なのか

うっかり忘れてしまったとしても、利息や元金の返済が遅れた場合には「遅延損害金」を支払わなければなりません。これは、「銀行取引約定書」や「金銭消費貸借契約証書」に謳われております。

ただ、一言「延滞」とはいっても、延滞の種類には「形式延滞」と「実質延滞」のふたつに分けられます。

「実質延滞」

延滞の責が債務者側にあるケースです。

例えば、資金繰りが困窮して返済ができない、銀行から督促の電話をしても折り返しの連絡もない、銀行とコンタクトがとれないケースです。

「形式延滞」

延滞の責が債務者側にないケースです。

例えば、「リスケ」の手続き中で、約定日に手続きが間に合わなかった場合は、「形式延滞」として遅延損害金は請求しないことがほとんどです。

こういうケースは「遅延損害金」を払わなくてよい

実際にクライアントであったケースをご紹介します。

リスケを実施しているクライアントで、複数の銀行とリスケジュールのうえで融資取引を行っております。リスケの期日をそのうち1行だけが忘れてしまって、期日後に更新の手続きを行いました。手続き後の「利息計算書」を見ると「遅延損害金」を引き落としていたのです。

このケースで考えると、延滞の責は債務者側には一切ありません。期日管理を怠ったのは銀行に責があるので、当然銀行に抗議すべき内容です。では、なぜ銀行の担当者は「遅延損害金」を引き落としたのでしょうか?

推測できる理由のひとつとして、「担当者の保身」が考えられます。詳細は分かりませんが、その銀行内部で、遅延した責任を債務者側にして処理していることが考えられます。

簡単にいうと、「遅延したのは顧客が悪くて、担当者は何も悪くない」ということです。

もし、他の銀行に全ての更新手続きが完了したことを説明するために、契約書ならびに利息計算書を見せてくださいと言われた場合に、「遅延損害金」を取られたことが表面化したら、問題になります。もちろん、このケースでは「遅延損害金」を「約定利息」に訂正してもらうべき事案です。

「リスケをお願いしている立場なので、強くは言えない」気持ちは理解できますが、遅延損害金の支払いをきっかけに他行との関係が悪化してしまっては困ります。

このように、平気で「遅延損害金」を請求してくる銀行もありますので、皆様においても利息計算書の中身には注意をして頂きたいと思います。

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