融資のお願いをして、保証協会保証付き融資の提案をされたら、そのまま提案を丸のみにしていませんか?
コロナ融資の特別対応も終わり、保証協会融資も平時対応になってきておりますが、コロナ融資を受けて負債が膨れ上がった企業に対する審査は非常に厳しいと言われております。
ただし金融機関側からするとリスクの低い保証協会融資は「おいしい」貸出になります。では、取引金融機関から保証協会融資を提案された場合に、どのような対応したらよいのかについて今回はお話しします。
皆さんご存知のとおり、保証協会融資はコロナ融資などの「特別融資」でなければ責任共有制度で80%が保証範囲になり、残り20%は銀行のリスクになります。
特定の金融機関と地元自治体との特別提携商品でない限り、基本的にはどの金融機関から借りても保証協会融資は同じです。(金利は金融機関で異なるケースもありますが)
となると、金融機関としては保証協会枠(無担保80M)の取り合いになり、先に提案したもの勝ちというのが実態です。
そこで、複数の金融機関と融資取引をしている場合には、「どの金融機関からなぜ借りたのか?」を他行に説明できるための「大義名分」が必要になります。
では、複数の融資取引があり、今回保証協会融資を2番手の金融機関から提案されたて借りた場合に、メインはどのような印象を抱くでしょうか?
〇なぜ事前にメインに相談しなかった?
〇このような融資取引をするのであれば、次回以降も2番手でやってもらえばいい
〇銀行取引の戦略に一貫性がない社長だ
など私の経験からしても上記のような感情をもつようになり、企業にとっては全くプラスになりません。
しかし、2番手の銀行が保証協会融資のみではなく、「プロパー」融資も同時に融資してくれたらメインの印象は下記のように変わるはずです。
〇2番手はリスクをきちんと共有しようとしている
〇2番手がプロパーを出すならメインもプロパーを出さないといけない
〇社長は銀行交渉が上手い
コロナ前からも言われておりましたが、保証協会や公庫だけの借入で「官」に全てを依存するのではなく、民間金融機関からの「プロパー」融資も併用することで「民」ともリスクを共有する時代になっています。
公庫のコロナ劣後ローンでも一時期、「民間金融機関との協調融資が前提」といった条件がついていましたし、保証協会でも協会単独融資ではなく民間銀行との協調融資の有無を重要視しております。
ただ「借りられればいい」ではなく「借り方」「銀行戦略」をきちんと考えた資金調達をすることが金融機関との信頼関係構築に繋がることを覚えておいてください。