近年、ネット銀行の口座をもつ企業が増えてきております。創業したてのスタートアップ企業やECサイトに出店している企業がネット銀行の口座を保有することが大きな理由にあります。
今回は、ネット銀行を法人口座のメインとしていくことのメリット・デメリットについてお話をさせて頂きます。
ネット銀行のメリットとしては
このふたつが大きいでしょう。
通常、既存の金融機関では普通預金の開設だけで1週間ほどの時間がかかります。マネロンや反社のチェックに時間がかかることが理由にもありますが、私の感覚では法人の新規口座開設に対して前向きでない印象が強いです。
また、振込手数料も既存の銀行のおよそ半分程度で済み、コスト面でのメリットも大きいでしょう。
さらにネット銀行に対するアレルギーも世間的に無くなってきており、認知度が高まったことも要因にあると思います。特に、これから起業される方には使い勝手はいいと思います。
楽天銀行ではメガバンクの口座からネット銀行にシフトさせる動きがここ数年顕著になってきており、住信SBIネット銀行も法人口座が3年間で3倍にまで拡大してきているようです。
金融機関別のシェアでみてみると、ネット銀行は全体の0.11%ほどのシェアの模様で、全体からすればまだまだネット銀行の口座をもっている企業は少数派です。
しかし、ネット銀行では「オンライン融資」を手掛けるところもあり、小口かつ短期間の資金調達にはネット銀行が便利になっていることも近年の利用者増加の理由にあります。
とは言うものの、ネット銀行の融資では最大金額が小さい(銀行によって異なるが上限10,000千円ぐらいのイメージ)ことから成長ステージにはいってきて大きな金額が必要になってくると、既存の金融機関の力が必要になります。
なので、創業ステージから3年ほどを経過した企業では既存の地銀、信金の口座開設が必要になります。
また口座のなかで商売のお金の動き(売上回収や支払)をさせていく必要があることから、ネット銀行口座との棲み分けを考えていく必要があるでしょう。
ネット銀行や既存の金融機関にどちらかに全てを集めるのではなく、役割に応じた口座の使い方も考えていくことが、成長ステージにおいて必要になります。
「オンライン融資」では数千万~億単位の融資には乗り出さないと言われており、あくまで「小口・短期」に特化していくはずです。
それぞれの金融機関や口座の特徴を考えたうえで、バランスよく利用されることをお勧めします。