【事業再生ブログNO.55】「リスケの返済額は『資金繰り表』で交渉する」

リスケジュール(以下リスケ)を実施している企業は6か月または1年ごとに「返済額」の見直しを行っていきます。

その際、今度の返済額をいくらにするのか?が一番の交渉ポイントになります。

銀行が求める返済額に果たして根拠はあるのか?銀行に対してどのように交渉したらよいのか?について今回はお話しさせていただきます。

▽銀行は「損益計算書」からの「簡易キャッシュフロー」でしか言ってこない

銀行は、直近の決算からの簡易キャッシュフロー(以下CF 税引き後利益+減価償却費)にて話をもってきます。銀行が使用している「経営改善計画書」の書式にも簡易CFの数字がよく登場します。

ただし、実際に「簡易CF」が企業の正確な姿を表現しているでしょうか?

たとえば

「簡易CFが10M計上」している企業の「現預金が前期比+10M」になっているとは限りません。
(元金返済がなかったと仮定します)

考えられるのは

➀在庫が増えて、帳簿上は利益が出ている
➁仕入れサイトが早くなって現金が減少している
➂売掛サイトが長くなって、現金が減少している

などです。

つまり、帳簿上のCFと実際の手元預金の増減は一致しないのです。

なのに、銀行は簡易CFにてごり押ししてきます。

なぜでしょうか? 理由は簡単です。

「資金繰り表を起こす実力がない」そして「簡易CFにて交渉と教えられている」からです。

▽現預金の動きを正確に表現できるのは「資金繰り表」しかない

簡易CFと実際の現預金の動きが一致しない以上、正確な現預金の動きを表現するには「資金繰り表」を作成して、交渉するしかありません。

私は「資金繰り表1枚」にてクライアントの銀行交渉を行っております。資金繰り表といっても、発生ベースの「売上」や「原価」の情報も加味したうえで、資金繰りがどのように変化しているかを説明しております。

また、年間の「資金繰り表上の利益=資金繰り上の経常収支」の多くても「50%」を上限として返済に充てるようにします。

リスケ中の企業は、「新規の借り入れが難しい」ことから、いかに「手元預金を向上」させながら「継続的な元金返済」を行えるかが大きなポイントになります。

中小企業は「資金繰り表」を常備していないところがほとんどだと思います。

銀行の「表面的な言い分」に負けないためにも「資金繰り表が作れる」体制を構築することが、ご自身の会社を守ることになります!