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【銀行融資ブログNO.103】「資本性劣後ローン」はコロナ難局の「切り札」になる!(その2)

2021/08/01

前回から「資本性劣後ローン」のお話をしております。前回は制度の最大の特徴である「借入」ではなく「自己資本」としてみなせることを解説しました。
今回は、「資本性劣後ローン」の目的と何のために利用するのか?についてお話をします。

最大の目的は「民間銀行」からの協調融資を導くこと

返済期間が最大20年を許容し、かつ期限一括返済の形態は「融資」とは言えないぐらいのスキームです。では、この制度の最大の目的はなにか?

〇民間銀行からの融資を導くことで「官民協調」支援体制を作ること

にあります。
前回、劣後ローンの対象となる企業の条件として④として挙げたのが

4.「劣後ローン実施後、1年以内に民間金融機関からの協調支援が受けられる先」です。

これは何を意味するのかといいますと

  • 債務超過に陥った企業を「劣後ローン」として資本回復させる
  • 金融機関が見る決算書は「債務超過企業」→「自己資本プラス企業」となり格付は「正常先」となる
  • 「正常先」になれば、民間金融機関はプロパー融資を出せるので、公庫と民間金融機関の両社で再生を後押ししていく

といった流れになります。

なので、資本性劣後ローンを申し込む場合は、取引している民間金融機関に公庫から「資本性ローンを前提とした場合、今後の支援姿勢はどうですか?」と意思確認を取ります。

そこで、実際には企業としてはどういった順番で劣後ローンの相談を行ったらよいのか?ですが

  1. まずは民間金融機関(メインバンク)に公庫へ劣後ローンの申し込みをしたい旨相談する
  2. 民間金融機関として、今後も支援していく言質をとる
    (言質をとるためには金融機関は本部申請にて了解をとるはずです)
  3. 民間金融機関の後ろ盾があって公庫へ劣後ローンの相談をする

この流れが私の経験上では、一番スムーズにいくと思います。
仮に、公庫は「OK」だとしても、民間金融機関が「NO」だとしたら、劣後ローンは「NO」の答えになります。

さきほどお話した通り、本制度の最大の大義は「官民協調体制の構築」にありますので、この点はよくお気をつけてください。

申込の流れが面倒に感じるかもしれませんが、「超長期」、「期限一括返済」かつ「資本性」である特徴をもつ融資制度は他にはなく、まさに「コロナの切り札」と言えますので、制度の概要をよく分かったうえで、ご検討ください。

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