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【事業再生ブログNO.38】P/L改善」よりも「B/Sの改善」が大事です!(その1)

2017/09/15

資金繰りが窮している「再生ステージ」にある企業においては、当然ながら「損益の黒字化」が必要なのですが、それ以上にB/Sの改善つまり「B/Sのスリム化」が重要になってきます。
頭では皆さんも分かっていると思いますが、経営者や会計事務所、銀行の目線は、どうしてもP/Lばかりに目がいってしまいます。
私の仕事は「資金繰りの改善」にフォーカスを当てていますが、資金繰りの分析は実はB/Sとの睨めっこなのです。
今回は、「B/S改善」のポイントについてお話をさせて頂きます。

必要な「運転資金」以上の借入をしているのでは?

B/Sは左側の「資産」と右側の「負債・自己資本」は同じ金額でバランスしております。では、右側の負債(特に他人資本である有利子負債)が左側の資産の何に見合っているか?が一番大切です。

まずは、事業を営むに必要な運転資金は

「売掛金」+「棚卸資産」-「買掛金」の算式で一般的に出てきますが、この必要な資金を銀行借り入れなどで賄っているはずです。

例えば、上記の運転資金の公式で「10,000千円」の数字が出たとします。

そうすると、借入は10,000千円あれば済むのですが、借入は20,000千円あったとしたら、そのお金は左側の資産のどこにいっているのか?を見るのです。

工場や設備がある会社であれば、固定資産になっているケースもありますが、設備がほとんどない会社であったとしたら、余剰分の10,000千円の借入は「現預金」にあるのが普通です。

ただ、現預金に10,000千円もないとしたら

  1. 過去の赤字分を埋めている
    ➡右側の「自己資本が食われて」おり、「累積赤字」がある
  2. 投資等の科目に化けている(保険積立金や子会社への出資金)
    ➡役員保険や有価証券への投資がある
  3. お金の使途が不明瞭になっている
    ➡お金の使途が分からないので「仮払金」「貸付金」「現金」の科目になっている
  4. 棚卸資産が間違っている
    ➡帳簿上よりも実際には多い在庫を抱えている可能性

このように1~4のような可能性が考えられます。(他の可能性もあります)

もし1~4のいずれかに該当していると、「事業に必要な運転資金以外にお金が使われている」ことになります。

そこで、「B/S」の改善としては、その該当する「科目」にターゲットを置いていくのです。

つまり、「お金」の通り道の改善を行うといった表現になりますね。

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